【強化学習】ベルマン方程式を日本語に翻訳すると?

AI/データサイエンス

今回は、強化学習に触れると必ず出てくるベルマン方程式について、数式の意味をできるだけ言語で解説してみます。

過去の記事については以下を参照ください。

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なぜベルマン“方程式“なのか?

“方程式”とは、数学において二つの式が等しいことを示すもので、等号(=)を使って表されます。方程式の目的は、未知の値(変数)を求めることです。たとえば、x+2=5 という簡単な方程式では、x が何であるかを求めることになります。解は x=3 です。またy=2x +1のような2変数の場合であれば、yかxどちらの値がわかれば、もう一方(未知数)もわかります。これが方程式です。

この文脈で言うと、ベルマン方程式では、何がわかれば何がわかる、と言っているのでしょうか。詳細は後の章を見てもらえればと思いますが、今の状態で取り得るすべての行動aと、その行動によって移行する次の状態 s′の価値 V(s′)がわかれば、今の状態の価値V(s)がわかる、と言っているのです。

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ベルマン方程式を日本語訳する

ではいよいよ、冒頭のおっかない数式を解読してみましょう。まずは状態価値関数V(s)のベルマン方程式です。

以下のように、部品ごとに色を分け、部品の意味を日本語で説明してみました。

しかし、これではまだ直感的にイメージできないので、各部品を野球で喩えてみます。

s=攻撃側8回裏1アウト1,3塁、1点差ビハインド。

π=各方策(犠牲フライ狙い、シングルヒット狙い、HR狙い、スクイズトライ、内野ゴロ狙い、四球狙いなど)をそれぞれ採用する確率(=確率分布)

a=πに従って選択される。(最も確率の高いものを選ぶか、もしくはそこにランダム性が加わる)。選択肢の数は方策の数分ある。

p(r|s,a):各aを実行した時に報酬をもらえる確率(=作戦が成功する確率)

r:作戦が成功した時の報酬。仮に報酬=野球の得点とするなら、犠牲フライ狙い、シングルヒット狙い、スクイズトライ、内野ゴロ狙いの場合はr=1。HR狙いならr=3。四球狙いならr=0(ただしs'以降にプラス影響)

割引率:ハイパーパラメータ。今の打者で得点を取りたい場合はこれを低めに設定、最終的に得点できればいい場合は高めに設定する。

s'=πの選択肢数、およびaの選択肢数だけs'も存在しうる(一部重複しうる)

s'の状態価値=上の項目と同様、a',πなどを使って計算できる。

これら野球で例えば部品を、上のベルマン方程式に代入すれば、計算ができます。つまり、ベルマン方程式からわかるのは、ありえる全ての選択肢を考えていけば、V(s)を計算できる、つまり今の状態を定量的に評価できるということです。

同様に、状態行動価値関数Q(s,a)のベルマン方程式も日本語訳してみました。

これで、少しは単なる記号の羅列が腑に落ちるようになるのではないでしょうか。

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