なぜ、”働き方改革”なのか

働き方改革
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働き方改革へ至る道

“働き方改革”が叫ばれるようになって久しいですね。 

著者が義務教育を受けていた90年代、00年代、更には社会人になった10年代前半には、全く想像できなかった現象だと感じています。

当時、平成の前半は、たくさん残業したり、上司より遅くまで残ったりすることを美徳するような空気感が漂っていました。労働生産性を高めて早く帰宅するとか、多様な働き方、生き方を尊重するといったことは、ややもすると”仕事への情熱のなさ”と捉えられかねなかったはずです。

これは間違いなく、バブル経済の後遺症です。頑張れば頑張るだけ”上”を目指せた時代。必要なのは努力と根性と忖度。その結果として、GDPはアメリカに次ぐ第2位となり、生活水準の向上も実感できた。これが、のちに大きな足枷となります。

盛者必衰というのはまさに世の真理です。誰もがご存知の通り、平成に入りバブル経済は崩壊します。ところが、日本人はバブル崩壊後も、過去の成功体験以外に拠り所を見つけられないまま、努力と根性と忖度を続け、気づけば社会も構成員も疲弊してしまいました。疲弊してしまうのは、努力と根性と忖度を続けても、社会が良くならない、生活が良くならないから。つまり、バブル期の世代と異なり、自身の成功体験に繋がらなかったからです。そして社会の疲弊が蓄積すれば、それが様々な社会問題として表出します。平成とは、バブル経済の負債を返済し続けた時代だったと言えるかもしれません。

では一体、いつから日本社会は変わり始めたのでしょうか。

私の肌感覚としては、2015年に電通で起きた痛ましい過労自殺事件によって、潮目が変わったように感じます。

日本の自殺者数の推移を追ってみましょう。自殺者はバブル期には2万人強でしたが、1998年に3万人を超え、その後3万人超が14年続きます。まさに、社会の疲弊が表出した形です。それが2010年を過ぎると急激に減少し、2018年にはほぼ2万人まで減りました。

ここから読み取れるものは何か。努力と根性と忖度に、遂に労働者が”No!”を突き付けたのだと思います。成功体験も得られないような働き方を強要され、心が壊れていくことを拒否し、今の世の中はおかしいんだという空気感が醸成された。それが、形になって現れ、かつ変革を加速する推進力になったのが、電通の事件だったのだと思います。

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各企業が働き方改革を推進

2015年の事件がメディアで大々的に報道され、多くの企業で残業規制が始まり、勤怠管理を強化、また収益確保のために労働生産性を本気で向上させなければならないという機運の高まりを感じました。 

私の勤め先でも、ノー残業デーが取り入れられ、勤怠時間の入力が誤魔化しにくくなり、また管理職が積極的に帰宅を勧める光景を頻繁に見かけるようになりました。業務効率の改善や生産性の向上に取り組むよう、上からメッセージが配信されることも多々ありました。 

これらの動きは、もちろん最初から社員に受け入れられたわけではないし、なかなか改革が進まないこともしばしばでした。 

しかし全体とすれば、この5年で確実に会社は良い方向に動いたと考えています。 

結果として、私個人の働き方は今、非常にホワイトです。 

著者の経験

ここからもう少し、私個人の話をします。 

現状、ワークライフバランスがとてもいい。QOLが非常に高い。(堂々とこう言える人に、なかなか出会わないですよね。) 

でも、ずっと前からこうだったわけではありません。

働き方改革が始まる前は、家に仕事を持ち帰って、夜中まで仕事をして、寝不足のまま朝定時ギリギリに出勤していました。生活に余裕があると感じた事はほとんどありませんでした。 

それが今では、仕事を家に持ち帰ることは基本的にはなく、平均で16時台に仕事を終えています睡眠時間も平均で7時間ほど確保できています。 

また、いわゆる”朝活”をしています。朝は5時半頃に起き、妻の朝食を用意した後、一緒に朝食を食べる。洗濯をして身支度を整えたら、そこから1時間ほど、8時頃の業務開始まで自分の時間に使います。ライフワークの音楽に使うことが多いですが、読書をしたり、勉強をしたりと、非常に有意義です。 

朝の8時に業務開始するのは会社の規定ではなく、フレックスタイム制度を活用しているからです。通常は9時から17時半ですが、私は夕方早く仕事を終えたいので8時から働いています。日によっては10時に業務開始する日もあり、文字通り働き方がフレキシブルになりました。 

さらにコロナが蔓延してからは、週の3日ほど在宅勤務をするようになりました。これにより通勤時間を大幅に削減、荷物を家で受け取れるので日用品や食料の買い物に追われることも少なくなり、QOLは上がる一方です。 

以上が、私のこれまでの経験と、現在の働き方です。 

どんな記事を書いていくか

あなたの会社はどうでしょうか? 

社会全体では、すでに働き方が大きく改善された企業や、コロナでようやく働き方改革が動き出した企業もあれば、いまだ旧態依然とした働き方を強要される企業もあります。 

そこで、これから働き方改革を進めていかなければならない企業にお勤めの方々に向けて、働き方改革に深く関わった経験をもとに、書いていければと思っています。 

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