あなたの会社では、議事録をいつ完成させていますか?
”会議から1週間以内に”なんて言っているとしたら、それは時間をかけすぎです。
会議の議事録は、基本的にその会議中に完成させることを目指すべきです。それによって、議事担当者の業務改善になるだけでなく、会議内容について参加者と合意を形成することもできます。また議事録の読み手は素早く情報を受け取ることができ、大変有益です。
以下で、詳しく書いていきます。
議事録とは何か?
そもそも議事録とは一体何で、その目的は何なのか、から整理します。
議事録とは、会議の内容を記録することです。当日の議題や決定事項、さらには将来のアクションプランを残します。
そして、議事録を残す目的は、主には情報共有です。当日欠席のメンバーにも議事内容を共有でき、また決定事項やアクションプランを共有できるので、組織として同じ方向性を持って活動するために有益です。
議事録自体は、非常に有効なツールと言えそうです。
議事録作成の苦労
しかし、言うは易し、行うは難しです。
議事録は任させた人は大変です。会議中はとにかく参加者の発言を一生懸命メモし、時には録音し、それを後で見返し、聞き返しながら、見栄えのいい”フォーマット”に直して期限までに提出します。
議事録を任されるのは若手社員ということも多く、そうなると先輩たちが何を言っているのかを理解できないケースもあります。また議事録を取る人の気持ちに配慮などされないので、議論は行ったり来たり、”結局あの議題はどうなったんだ?”なんてこともしばしば。
さらに、”議事録が取れたら一人前”とでも言わんばかりに先輩や上司から提出した内容について文句を言われ、訂正を指示され、別の人からは提出が遅いと催促される。
作成者は苦労が絶えません。上司から”議事録取っといて?”と言われていい気分がする人はいないのではないでしょうか。
でもこれ、悪いのは議事録作成ではなくその方法なんです。
議事録係=旧世代の遺産
そもそも議事録を会議後に誰かが作るというのが、バブル期からの負の遺産です。当時は何でも社員一丸となって同じことすることで頑張るエネルギーとしていたのでしょう。残業なんて何のその、会議には全員出るのが当たり前、決着がつくまでエンドレス、若手は”勉強だから”と強制出席、管理職もなぜか全員出席。
そういった環境では、若手は”どうせ発言しないんだからせめて議事録を作ってくれ”という発想になります。本来であれば、若手が内容を理解しておらず付いていけないのであれば、その会議には出席すべきではありません。本来出席する価値のない管理職がその時間に裏で教育でもしていた方がよほど有意義です。
また、内容を理解しきれない若手が議事録を書けば、必然的に会議中には議事録が完成しません。そうなると、あとはエンドレスで加筆修正、どの内容を入れるか入れないか、無駄な検討が始まります。
必要最低限の人数で会議を開くという発想がないからこそ、”議事録係”が生まれるのです。無駄な会議については過去に以下の記事を書いていますので、ご参考まで。
議事録を会議後に書くことの非効率さ
議事録を会議後に書くということは、会社全体にとって損失です。
まず議事録を書く側にとっては、上述の通り多くの作業が発生します。文字起こしや会議メモの見返し、先輩や上司への前確認など、会議そのものより長い時間がかかることさえあります。
また、読む側にとっても議事録が会議後に書かれることで損失が発生します。会議人数が最低限に設定されてれば、会議で何か発言をするわけではないが結果に興味を持つ人は多くいるはずです。重要な会議であるほど、その結果を早く知りたい。でも上述のすったもんだのせいで、なかなか情報が発信されません。
情報は鮮度が命です。今知りたい情報が、来週も来月も価値があるとは限りません。議事録は、会議が終わった直後に、むしろ、終わったと同時に配信されるべきものです。
どうやって議事録を会議中に完成させるか
ではどうやって、会議中に議事録を完成させるのか、いくつか項目を分けてその方法を紹介します。
皆で見ながら議事録を作る
まず、議事録は誰かが裏でこそこそ作っているものという発想を捨てましょう。どうせあとで共有するんですから、初めから全員が見ている状態で議事録を作れば良いのです。
具体的には、画面共有やプロジェクターを使って議事メモを取っている画面を映します。そしてリアルタイムにメモを取り、メモ内容に修正が必要であれば、修正して欲しい人がその場で修正を依頼します。
決定事項もアクションプランもメモを取って参加者で確認しますから、あとから文句を言われることもありません。
こうすることで、全員が納得する(せざるを得ない)議事録が完成するのです。
議事録係=発表者
発表している人と議事録を取る人は、同じ人が兼ねた方が効率が良いです。
当たり前ですが、発表者が1番議事内容を理解しています。想定される質問もわかっているし、会議の着地点も想像がつく。(そうでなくてはなりません)
だから、発表者が発表の合間に議論の流れや結論をメモする方が、議事録をうまく纏めやすいのです。
もし特定の発表者がいない場合でも、進行役がいるはずです。その場合は進行役が議事を取れば良いでしょう。
編集可能なデータを使う
上で述べたような方法で議事録を取るためには、自然と発表資料が編集可能なデータである必要が出てきます。
具体的には、PDFのように書いてある内容を変更し難いものは避けるべきです。
PowerPointでも WordでもExcelでもいいです。OneNoteも便利ですね。これらのアプリを使って、発表し、議事録として残すべき内容はその場で資料中に追記します。
場合によっては、共同編集する
上で議事録係=発表者と言いましたが、議事録を共同で編集するスタイルも効率的です。
SharePointのようにクラウド上に保存してある資料は、複数人が共同編集できます。1人が議事録を取るのが非効率的な場合は、共同編集をしてみましょう。
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