そうだ、紙を捨てよう – ペーパーレスの勧め

働き方改革

あなたの会社では、もうペーパーレス化は完了しましたか?まだ紙の資料を使っていますか?今回は、ペーパーレス化のメリットや推進方法について紹介します。自分の机がまだ紙で埋もれているという方は、是非ご一読ください。 

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ペーパーレスとは 

まずは、ペーパーレスとは何かから確認しましょう。よく知っているという方は読み飛ばしてください。 

ペーパーレスとはその名の通り、紙をなくす、ということです。今あなたのオフィスでは、どのくらい紙が存在していますか?机の上に紙の資料が山積みになっていたり、部署の保管資料が紙だったり、会議での配布資料や稟議書が紙であるということは多いと思います。 

これら紙で作成・編集・検討・承認している業務から、紙をなくすことをペーパーレスと呼びます。 

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ペーパーレスのメリット 

欲しい資料がすぐ見つかる 

ペーパーレスの最大のメリットの一つは、検索が容易になることです。紙の代わりにデジタルデータを使い、デスクやキャビネットの代わりにサーバークラウドを使うことで、資料探しに時間を費やすことがなくなります。著者の経験則で言えば、欲しい資料を探すのにかかる時間は、ペーパーレスを実現できていれば、平均して十秒程度です。キャビネットからファイルを持ってくる時間で資料までたどり着けます。 

このとき重要なのは、メーラーやサーバー、クラウド上でのフォルダ分けを複雑にしないことです。デジタルデータの保管を考えるとき、多くの人がフォルダを複雑に分別しすぎて、結局どこにあるかわからないという状態になることがあります。フォルダ分けは必要最低限としましょう。 

同時に重要なのは、フォルダの分け方を社内で統一することです。フォルダ分けというのは非常に個性が強く発揮される作業ですので、担当者それぞれにとって最適なフォルダの分類を寄せ集めたら、支離滅裂なフォルダ分けとなりかねません。緩くてもいいので、ある程度統一のルールを決めてからフォルダを分けましょう。 

もう一つ重要なのは、ファイルの名前の付け方です。メーラーやクラウド上ではファイル名で検索することで短時間で資料までたどり着くことができます。わざわざフォルダの中まで入る必要もありません。その際に、ファイル名が確実に資料の内容を表すようになっていれば、すぐに見つかりますが、あまり意味のないファイル名になっていると、探すのに苦労します。 

例えば以下の2つの例を見てください。 

  • ファイル名1:2019年度_売上実績_大阪営業_20200415 
  • ファイル名2:売上明細データ_大阪支店営業部 

どちらが検索に適していると思いますか?著者なら圧倒的にファイル名1の方が探し易いです。なぜなら、検索するキーワードが散りばめられており、様々な方法でヒットさせられるからです。ファイル名1であれば、”2019”でも”売上”でも”実績”での”大阪”でも引っかかります。一方ファイル名2だと情報量が少なく、基本的には”売上”であることと”大阪支店営業部”であることしかわかりません。この状態で検索条件に”2019”や”実績”を含めていると、ヒットしないことになります。 

どこからでも資料を見れる 

ペーパーレス化の次のメリットは、場所を問わず資料をどこからでも見れることです。ここでの鍵は、社内サーバーに外部からアクセスできない場合は、できるだけクラウド上に資料を保管することです。これによって、これまでは特定のキャビネットや自分のデスクで保管していた資料にどこからでもアクセスできるようになります。 

会議室にいても、出張していても、そして家にいても資料にアクセスできるのです。ペーパーレス化は在宅勤務の前提条件にもなります。今在宅勤務推進が難しい理由の一つが、ペーパーレスが進んでいないことになります。ペーパーレス化によっていつでも支障なく在宅勤務を開始できるようなります。 

整理されたデスク 

ペーパーレス化の次のメリットは、デスク周りが整理整頓されることです。極力紙をなくすことで、机に山積みになっている紙を破棄し、本当に必要な資料だけを机に置くことができます。これは見た目の綺麗さ以上に、机に置いた資料を紛失しないための予防策にもなり得ます。 

フリーアドレスへの対応が可能 

ペーパーレス化が進むと、フリーアドレスを導入しやすくなります。フリーアドレスとは、文字通り場所が決まっていないということで、社員が座る席を指定せず、好きな位置で働いてもらうことで、いつもと違う刺激が生まれたり、普段話さない人と気軽に話せることで創造的なアイディアを出しやすくする手法です。ペーパーレス化は、フリーアドレスを実践したい企業にとっては前提条件となります。 

オフィスの必要面積を最小化 

紙をなくすことで、デスクやキャビネットを最小限に減らすことができます。大きな会社では、フロア丸ごと資料保管に使っていることも少なくありません。ペーパーレス化によってその保管資料を最小限に減らすことで、オフィスの賃料を減らせる可能性があるのです。 

印刷費用削減 

すべての資料を紙で印刷しようとすると、スキャン機能付きのコピー機をレンタルしたり、大量の印刷用紙を用意する必要があります。ペーパーレス化を実現すれば、原則これらの費用は不要になります。もちろんクラウド仕様に費用が発生することはありますが、コピー機と比較すればその差は歴然です。ペーパーレス化は、印刷関連に費用削減にもつながるのです。 

ペーパーレスのデメリット 

全てをペーパーレスにはできない 

規定上原資での保管が義務付けられている資料も存在します。それによりすべての資料をペーパーレス化するのは非常に困難なので、必然的に紙で保管する資料とデジタルデータで保管する資料が別れることになります。 

社員教育の必要性 

ペーパーレス化を実現するには、社員のITリテラシーを高める必要があります。これまで作った資料をコピー機で印刷することしかしてこなかった社員にとっては、資料のPDF化やクラウドへの保存などは、不慣れな作業である可能性があります。 

職場環境の必要性 

クラウドやオンライン会議でデジタルデータを扱うとなると、ネットワーク環境大型モニターが必須となります。これらの環境が整っていない場合には、ペーパーレス化によって資料が使いにくくなるという可能性もあります。 

回覧に気づきにくい 

管理職にとって、回覧されてきた文書を承認する作業は業務の大きなウェイトを占めます。その場合に、紙の資料であれば、物理的にデスクのボックスに要承認の書類が積み上がっているので、今回覧されている文書があるかどうか、一目でわかります。 

一方デジタルデータを使うと、メールを見落としたりすることで、要承認の文書の存在を見落とす可能性があります。特にペーパーレス導入直後に起こりやすいので、注意が必要です。 

ペーパーレスの推進方法 

以上書いた通り、ペーパーレス化はメリット・デメリット両面ありますが、うまく活用できれば、基本的にはメリットが上回るはずです。以下では、ペーパーレスを上手に推進するための方法を紹介します。 

机の上の紙の資料を捨てる 

まずは、紙の資料を片っ端から捨てていくことです。ペーパーレスを推進すると決めてしまい、とにかく身近な紙を捨てていく中で、ペーパーレス化を勧められます。どうしても紙の形で保存する理由があるもの以外は、”捨てるもの”と”デジタルデータで保管するもの”に分けます。基本的に、デスクの上に紙が見えない状態を目指すことをお勧めします。 

クラウドを活用 

ペーパーレス化を推進するのに、クラウドは欠かせません。キャビネットやデスクの代わりに資料を保管でき、かつどこからでもアクセスできるようになります。ペーパーレスとクラウドをうまく活用することで、働き方改革や業務改善につながります。 

Officeを使用しているのであればOneDriveSharePointが非常に便利です。それ以外ではGoogle Driveを活用している企業も多いです。 

エクスプローラーでクラウドにアクセス 

クラウドを使う場合、ブラウザではなくエクスプローラー経由でアクセスできるようにしておくと、非常に便利です。ブラウザ操作だと、わざわざブラウザを開くのが面倒で、動作も遅く、またデフォルトではファイルをブラウザ上で開くので機能が制限されます。 

一方エクスプローラー経由であれば、他のフォルダを開くのと同じ手間でアクセスでき、かつ動作もブラウザよりも格段に速く、ストレスが少なく、時間も短縮できます。 

会議での紙資料禁止 

ペーパーレス化を妨げる要因の一つが、会議での配布資料です。ペーパーレス化推進を掲げる企業でも、いまだに会議で紙の資料が配布されるということは珍しくありません。この時、原則紙資料の配布は禁止すると、ペーパーレス化を推進することができます。 

そもそもリモートワークが普及している中で、紙の資料を配布するというのナンセンスです。資料配布はメールや会議案内に添付するか、もし特定の人に配りたい、もしくは特定のタイミングで配りたい場合には、オンライン会議のアプリに搭載の文書共有機能を使えば問題ありません。Officeであれば、Teamsでファイル共有が可能です。 

電子署名・電子印を活用 

リモートワーク全盛時代のペーパーレス化の強い見方が、電子署名・電子印です。新型コロナウィルスが蔓延した当初は、認印(シャチハタ)を押すためだけに出社しなければならないサラリーマンの話が話題になっていました。このようなケースを避ける一つの方法が、電子署名・電子印の活用です。多くの企業で使っているであろうAdobeの機能で使うことができます。 

電子決済の信憑性

電子決済導入時のよくある反対意見の一つが、”本物がどうか分からない”とか、”本人が押したかどうか分からない”といった信憑性に関するものです。しかし、例えばAdobeの電子署名で言えば、少なくともシャチハタよりは信憑性があります。Adobeの電子署名はアカウント名などから自動生成されるもので、勝手に誰の名前のスタンプでも作れるわけではありません。むしろシャチハタの方が、誰のものでも代理で押せるはずですし、管理職の名前のシャチハタは簡単に購入できるわけですから、よほど信憑性に欠けます。そもそも認印というのが信憑性のない印なわけですから、そういった反対意見は筋違いなのです。 

スキャナーの代わりにスキャンアプリ 

もしペーパーレス化によってスキャン機能付きコピー機を撤去したいと思った時、一つ気がかりなのがスキャンする機械がなくなってしまうことではないでしょうか。例えば外部で入手した紙の資料を保存しようにも、スキャンする機械がなくなってしまうと、結局紙となって残ってしまいます。 

そんな時に便利なのが、スキャナーのアプリです。スキャナーアプリは、スマホのカメラで撮った写真を自動的にトリミングしてくれます。A4用紙を机の上に置いて撮影すれば自動的にA4の大きさにトリミングしてくれます。更に撮影時の影が写真に残っている場合に、色合いを自動調整してくれます。Officeであれば、Office lens、他にもscannableなどが有用なアプリです。 

承認待ちであることがわかる工夫 

ペーパーレスかのデメリットの一つが、メールを見落としたりすることで、要承認の文書の存在を見落とす可能性です。これを回避するために、承認待ちがすぐにわかるような工夫をすると便利です。 

例えばOfficeであれば、Teamsのメンション機能を使うことで承認者に認知してもらいやすくします。またメールベースでやりとりする場合でも、件名に必ず【要承認】と付けるなど、予め運用を決めておくことで、見逃し防止や、要承認メールの検索をしやすくできます。 

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