VBAを学んでいると、オブジェクト、プロパティ、メソッドという用語がよく出てきます。しかし、これらの用語はプログラミング初心者にとっては意味が分かりにくく、この用語を使った説明を読んでもイマイチ腑に落ちません。
そこで今回は、オブジェクトとは何か、プロパティとは何か、メソッドとは何かを、VBAを含むプログラミング初心者向けに徹底解説します。
オブジェクト・プロパティ・メソッドのイメージ
まずは、それぞれのイメージを以下に示します。この図だけで内容が理解できれば、それでもいいかもしれません。
また、オブジェクト、プロパティ、メソッドが実際のコードでどのように登場するか、のイメージは以下の通りです。
オブジェクトとは何か
オブジェクトもプロパティもメソッドも、元は英単語です。まずは英単語の意味から確認しましょう。“Object”は、”物体”や”対象”と訳されます。目に見える物理的なものから、文脈によっては感情や目標など抽象的な概念も含むことがあります。日常的な会話では、手に取ることができる具体的な”物”を指す場合が多いですが、文学や哲学では、思考の対象や議論の焦点となるような概念やアイデアを指すこともあります。
VBAの場合、オブジェクトはイメージしやすいです。以下で可視化します。まず、オブジェクトがセルというのは、例えば以下のように特定の１つのセルを対象にしている、ということです。
範囲というのは、複数のセルの塊や、行全体、列全体などです。
プロパティとは何か
次に、“Property”は、”特性”、”属性”、”所有物”などと訳されます。この用語には大きく分けて二つの意味があります。一つは、物体や人が持つ特質や性質を指します。この意味では、色、形、サイズなどの視覚的特性や、温かい、冷たいなどの感覚的特性を示すことができます。プログラミングにおいてはこちらの意味で使われることが多いです。もう一つの意味は、個人や団体が法的に所有する「財産」や「資産」を指します。不動産（土地や建物など）や動産（家具、車、株式など）がこのカテゴリーに入ります。
上の表をもう1度見てみましょう。人には”名前”や”性別”というプロパティ(属性)があるように、そしてりんごには”色”や”糖度”というプロパティがあるように、VBAには”値”、”表示形式”、”色”などのプロパティが存在します。
普段何気なく使っているExcelのセルの1つ1つには、実は以下のように様々なプロパティ(属性)が存在しているのです。
メソッドとは何か
最後に“method”は一般的に、”方法”や”手段”、”手順”という概念を指します。プログラミングにおける”メソッド”は、対象のオブジェクト(セルなど)が実行可能な特定の”手順”や”アクション”を纏めて定義したものです。例えば特定のセルに対して実行可能なアクションとしては、”削除する”とか、”コピーする”が挙げられますし、ファイル全体に対して実行可能なアクションとしては、”保存する”などが挙げられます。
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