Excelで表を作成しているときに下線を使うと、様々なトラブルが起きます。今回は、下線の代わりに上線を使うということについて紹介します。
今回は以下の表を使います。
なぜ下線を使ってはいけないのか
まずは、なぜ下線を使ってはいけないのかを説明します。上のような図で、表の最終行である21行目を削除、もしくは最終行に行を追加すると、何が起きるかわかりますか?
行を削除した場合は、下線も一緒に消えてしまいます。
一方行を追加すると、以下のように、追加した行の上の行に下線が引かれてしまいます。本来であれば追加した行の下に下線が欲しいのに、これでは無駄に罫線(けいせん)を引きなおす作業が発生します。
下線の代わりに上線を使う
上記のようなトラブルを避けるために有効なのが、下線ではなく上線を使うことです。具体的には、データが入っている最終行(バナナ)の21行目に下線を引くのではなく、合計行の22行目に上線を引くのです。見た目は以下のように、21行目に下線を引いた時と変わりませんが、
以下のように、行を追加したり、削除したりしても、必要な位置に線を維持することができます。
罫線の性質を理解しよう
なぜこのようになるのかというと、それは罫線の性質によるものです。これは、意外と今まで意識したことがなかったという人が多いです。
罫線というのは、ある特定のセルや行・列の性質です。例えば以下の画像では、25行目に下線を引いています。見た目には25行目の下線と26行目の上線の違いはわかりませんが、25行目の下線は、あくまでも25行目のセルの性質として保存されます。だから25行目を削除してしまえば下線も一緒に消えるし、26行目に行を追加しても、26行目には罫線が引かれていないので、新しく追加された行にも罫線が引かれないのです。
一方で、以下のように26行目に上線を引くと、見た目は25行目の下線と全く同じですが、今度は26行目のセルの性質として上線が保存されます。だから25行目を削除しても下線は消えないし、26行目に行を追加したら、上線のある26行目と罫線のない25行目の間に罫線のない行が挿入され、結果的に線を意図した位置に維持することができるのです。
セルの書式の大切さ
ここまで説明してきて感じるのは、セルの書式を正しく理解して使うことが非常に重要でありながら、なかなか実行できている人がいないということです。
ここで一番上の表に立ち返ると、下記のような表で”下線を引きたい”と思ったのは、“合計行を区別したい”からです。明細の部分は量も多いし、上の例のように減ったり増えたりする可変的な部分です。ファイルーをかけることもあるかもしれません。そんな時に、”今たまたま明細行の一番下にある行に下線を引く”というのは、Excelのセルの書式というものを正しく理解できていないことになります。
合計行は常に合計行であり、その合計行の上に常に線が欲しいのですから、“合計行に上線を引く”というのが正しいアクションになるのです。
“セルの書式設定“を活用する
ではなぜ下線を使う人が多いのかというと、私はExcelのリボンが原因だと思っています。以下のように、下線だけは1クリックで引けるようになっています。このリボンからの操作を多く行う人にとっては、下線が最もなじみのある罫線なのです。
私がオススメするのは、”セルの書式設定“を活用することです。書式を設定したい範囲を選択した状態で”Ctrl + 1“を押すことで、セルの書式設定を開くことができます。以下のウィンドウが開きますので、その中の”罫線”タブを開くと、以下のように罫線の設定を自由に変えられます。もしある行に上線を引きたい場合は、”スタイル”から細い線を選択して、”罫線”の枠内の上端をクリックすることで、上線を設定できます。この状態でOKを押せば、
以下のように、意図通りの線を引くことができます。セルの書式設定は、はじめは慣れないかもしれませんが、罫線以外にも便利な使い方が多いので、ぜひ活用してください。
セルの書式設定については以下の記事も参照ください。
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