【IT】WBSとは何か?ガントチャートとは何か?チケットとは何か?

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WBS)、ガントチャート、チケットはすべて、プロジェクト管理においてタスクや作業を管理するためのツールや方法です。今回は架空のウェブサイトのリニューアルプロジェクトを例に、それぞれ説明します。

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WBS (Work Breakdown Structure)

WBSは、プロジェクトを完了するために必要なすべての作業(Work)を階層的・構造的に(Structure)分解(Breakdown)した図表です。大きなプロジェクトをより小さな、管理しやすいタスクに分割することで、全体の構造を明確にし、各作業の責任やスコープを明らかにします

以下が、架空のプロジェクトにおけるWBS例です。プロジェクト全体のタスクを詳細に分解することで、見落としを防ぎ、タスクの管理やリソースの割り当てを容易にします。

上の例だけだと、IT初心者にとっては”なぜ必要なの?”となるかもしれませんね。日常生活に引き付けて喩えるならば、例えば”引越”というタスクは、実際には様々な作業に分解できますね。

「引越」をWBSにした際の項目は、引越しの全プロセスをカバーするために、以下のように細分化できます。漫然と準備するよりも、階層的に作業を把握したほうが抜け漏れがなくなるというのは、引越経験者であれば理解できるのではないでしょうか?これがWBSの付加価値です。

引越しプロジェクトのWBS

1. **新居の準備**
   - 1.1 新居の契約手続き
   - 1.2 新居の清掃
   - 1.3 電気・ガス・水道の開通手続き
   - 1.4 インターネット・電話回線の手配

2. **現住所の整理**
   - 2.1 不要品の整理と処分
   - 2.2 荷造り用の資材の調達(ダンボール、梱包材など)
   - 2.3 荷造り(衣類、家具、家電、書籍などの分類)
   - 2.4 引っ越し業者の選定と手配

3. **引っ越し当日の対応**
   - 3.1 引っ越し業者の作業指示
   - 3.2 荷物の積み込み
   - 3.3 新居への荷物搬入
   - 3.4 家具・家電の設置と配置

4. **引っ越し後の手続き**
   - 4.1 住所変更手続き(市役所、郵便局、銀行、クレジットカード会社など)
   - 4.2 旧居の清掃
   - 4.3 旧居の退去手続き
   - 4.4 近隣への挨拶

5. **その他の関連作業**
   - 5.1 引っ越し後の家具・家電の購入
   - 5.2 インテリアの設置
   - 5.3 新居での各種設定(インターネット接続、テレビの設定など)

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ガントチャート(Gantt Chart)

 ガントチャートは、プロジェクトのスケジュールを視覚的に表現して管理する図です。横軸に時間を、縦軸にタスクを並べ、各タスクの開始日と終了日を棒で示すことで、プロジェクト全体の進捗状況やタスクの依存関係が一目で分かるようになります

ガントチャートという名前は、考案者であるアメリカ人のガント(Gantt)に由来します。コンサルタントだった彼は1910年代に、このチャートをプロジェクト管理の手法として提案し、これが普及しました。

ガントチャートは実務ではWBSと組み合わせて1つのシートで管理されることもありますが、WBSの目的は細分化、ガントチャートの目的はスケジュール可視化であり目的が異なるので、WBS側に情報量が多い場合は無理に統合せずに分けた方がよりよく管理できます。

チケット(Ticket)

チケットは、個別のタスクを管理するための記録で、対象タスクのの詳細、担当者、期限、進捗状況などが記載されています。

チケットシステムでは、各タスクや問題が”チケット”として一意の番号が振られて追跡可能になります。これらの特徴からいわゆる交通機関や催し物の”チケット”と似ていることもあり、このように呼ばれるようになりました。

チケットによるタスク管理手法は、WBSやガントチャートと比べると新しい手法です。その背景にあるのはソフトウェア開発が複雑化し、アジャイル開発手法が広く採用されるようになったことです。これによりタスクを細かく管理し、迅速に対応する必要性が高まり、チケットシステムの普及につながりました。

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