今回は、Excelのワークシート関数を使って会社業績の単位でよく使う四半期の計算を行う方法を紹介します。
四半期の計算とは
業績管理をしていると、四半期単位でデータを扱うことがあります。業績管理における四半期とは、1年間を3ヶ月ごとに区切った4つの期間のことです。日本語では、第1四半期~第4四半期と表記され、英語ではQuarterの頭文字を取ってQ1~Q4や、1Q~4Qのように表記されます。
この四半期ですが、もちろんそのままでは文字列データの為、計算することはできません。計算するというのは例えば、Q3+1とか、Q1-2などは不可能だということです。
ではこれらを数値データに置き換えたらどうかというと、それでも問題は残ります。例えばQ3に1を加えるケースであれば、単純に数値データとして扱うと3 + 1 = 4となり、Q4に正しく置き換えられます。しかし、Q4に1を加えるとQ5となってしまい、Q1に戻るべきところが上手く処理されません。同様に、Q1から2を引くとQ-1となり、こちらも正しくQ3に戻す処理が必要です。
このような四半期の加減算を適切に行うためには、循環する四半期を管理するための特別な処理が必要です。ここで役立つのがMOD関数です。
MOD関数とは何か
MOD関数は、割り算をした結果の余りの数を計算するワークシート関数です。”MOD”は英単語の”modulo”または”modulus”の略で、数学において”剰余“という概念を表します。基本的な使い方は以下の通りです。
=MOD(数値, 除数)
- 数値: 割られる数。
- 除数: 割る数。
例えば以下の数式は、10を3で割った余りを返していて、計算の結果は1になります。なぜなら、10 ÷ 3 は 3 余り 1 だからです。
では、これが一体四半期の計算でどのように使えるのか、以下で説明します。
MOD関数を使った四半期の計算
四半期は1, 2, 3, 4の周期を持ちます。四半期を計算する際に、数が4を超えると1に戻る必要があります。例えば、四半期の4に1を足すと次の四半期は1になります。この周期性を管理するためにMOD関数を使用します。
現在の四半期がセル B2 にあり、加算する数値がセル B3 にあるとします。これに対して適切に計算を行う数式は次の通りです。
=MOD((B2 - 1 + B3), 4) + 1
この数式の意味は次の通りです。
- B2 – 1:四半期を0ベースに変換します。これにより、Q1が0、Q2が1、Q3が2、Q4が3となります。
- + B3:加算する数値を追加します。図の例では、Q1を0に変換した後、-1しているので、ここまでで0 – 1 = -1となっています。
- MOD(…, 4):4で割った余りを取ることで、四半期の循環を処理します。今回の例でいえば-1/4の余りは-3になりますが、MODという関数は、余りを常に正の数で取得するので、”3”が返ってきます。
- + 1:(1)で0ベースに変換してしまっていたので、再び1ベースに戻します。これにより、3+1=4となり、意図通りQ1から1四半期をマイナスしたらQ4となりました。
なお、ここでややこしいのは、一度”0ベース”に変換しているプロセスだと思います。これは、4で割り切れてしまうケースで、余りの数が4ではなく0になってしまうからです。MODがある数を4で割って余った数値を返す場合、0,1,2,3のいずれかしかありません。MODの結果をそのまま使おうとすると、第4四半期(Q4)が表現できないのです。そのため、計算前に-1し、計算後に+1することで、1,2,3,4の範囲で表現できるようにしているのです。
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