Excel マクロ(VBA)によってどのくらい効率が変わる?

Excel マクロ(VBA)
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本当に仕事の効率化に役立つか

前回はそもそもマクロ(VBA)ってなに?という話をしました。 

前回の内容はこちらをご覧ください。

マクロについてなんとなくイメージができた人もいる一方で、その効果についてはどの程度なのか、想像ができないという人もいると思います。 

そこで今回は、私自身の経験から、マクロによって仕事を効率化できた事例を3つ紹介します。事例の詳細は、公開しても問題のない適当な内容に変更していますのでご了承ください。 

ここでは、具体的なVBAのコードの内容などは書きませんので、それよりもあなたの実際の仕事が効率化できるのかを想像するための材料としてお読みください。 

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事例1  条件に依って行を分ける

年間の業務削減=1,800分 

ポテチとチョコとプリンを売っている会社があるとして、以下のような営業実績データの一覧表があったとします。 

各案件番号毎に、どのお菓子をいくつ買ったのか、という情報があります。 

この時に、トレーサビリティーの観点からお菓子一つずつに対して個体識別番号を振らないといけないことになりました。 

個体識別番号は専門部隊が振ってくれるのですが、専門部隊に依頼する際に、1行に1式だけのデータに変換する必要があります。例えば、A126-3303のポテチは数量2ですが、これを2行に分けて、数量を1にするという作業です。この作業を全ての行に対して繰り返すと、以下のようになります。 

この事例では当方が適当に内容を変えたので、元々10行しかないデータを40行に分けましたが、私が実際にこのような作業をした時には、多いときで元データが500行近くありました。それを1行ずつ作業するのは非常に手間で、かつ精神的にも疲弊するものでした。そして、この作業は月に一度実施する必要がありました。 

この作業、VBAを使えばボタン一つです。起動時間も数十秒なので、トイレに行っている間に完了します。 

一回の作業に元々150分かかっていましたので、毎月(12回)年間で1,800分削減できました。 

150分 x 12回 = 1,800分 

事例2  ルールに則って集計する

年間の業務削減=1,440分 

もう一度ポテチチョコプリンに登場してもらいましょう。(著者はお菓子を販売した経験なし) 

今度は事例1の営業実績データに、”出火先(県名)”と”エリア”という二つの項目が加わりました。 

この元データを使って、上司から以下の作業依頼を受けたとします。 

  • エリアごとの販売金額の集計をしてくれ 
  • ただし、以下に注意すること 
    • 関東は東京それ以外で分ける 
    • 東京は23区23区以外を合算する 
    • 中国四国は合算する 
    • 九州沖縄は合算する 

これらを手作業で集計すると、以下のようになります。 

いかがでしょう? 

こんなケース、あなたも身に覚えがありませんか? 

今回の例は元データの量が少ないので負担になりませんが、実際当社では、数千行のデータに対するエリアの振り直しという拷問のような作業が、月に8回ほど行われていました。もちろんVLOOKUPなど関数も駆使して何とか効率化しようと工夫されてましたが、限界があります。 

この作業も、VBAを使えばボタン一つです。起動時間はわずか数秒。 

一回の作業に元々15分かかっていましたので、削減時間は以下の通りになります。 

15分 x 8回 x 12回(毎月) = 1,440分 

こういったケースは、本来システム側で解決されるべきです。 

しかし現実には、最新のシステムを導入する余裕がない企業が多くあります。 

また大企業でも、ご自身が小さな部署に在籍しており、他の大半の部署がそのまま使えるシステムも、自分はそのまま使えない、といったケースもあるはずです。 

そういった理不尽な状況であなたが不利益を真っ向から被らないようにするためにも、VBAは役に立つんです。 

事例3 よく使う機能を登録する

年間の業務削減= 292分 

さて、3つ目はちょっと毛色の違う内容です。 

後々詳しく説明しますが、Excelのよく使う機能をVBAで記述し、その機能をショートカットで呼び出すことができます。 

例えば、セルの色を黄色くしたい場合は、黄色くしたいセルを選択した状態で右クリックのメニューから選ぶか、上部のリボンから作業する必要があります。 

1回の作業時間は1-2秒ですが、セルを黄色くするという作業は、人によっては1日に何回も実施する作業だと思います。 

このセルの色を黄色くするという命令をVBAで記述し、その命令を呼び出すショートカットを、例えば以下のように設定します。 

Ctrl + Shift + y (覚えやすいようにYellowのy) 

これで、このショートカットを押すたびに、セルの色を黄色くしてくれます。所要時間はほぼ0です。 

黄色だけでなく、セルの塗り潰しを無しにしたり、フォントを統一したり、フォントを赤くしたり、使い方は様々です。例えばセルを黄色にする作業を1日20回(2秒/回)、塗りつぶしなしにする作業を1日10回(3秒/回)するとしたら、削減時間を以下のように計算できます。 

セルの色を黄色:        2秒 x 20回 x 250日 = 10,000秒 = 167分 

セルの塗り潰しをなしに:3秒 x 10回 x 250日 =  7,500秒 = 125分 

合計292分 

マクロの本分はダイナミックな自動化ですが、こういった細かい自動化もできるのです。削減時間とともに、ストレスの解消にもなるので例に挙げてみました。 

おわりに

いかがでしたか? 

例えば上の3つのVBAによって、年間で3,532分を削減できます。約50時間ですね。 

もしあなたが実務担当者であれば、業務削減の恩恵を直接受けることができますし、 

もしあなたが管理職であれば、こういったスキルを部下に習得してもらうことで、より生産性の高い仕事に集中してもらうことができるようになるのです。 

今回の内容で、少しでも、マクロ (VBA)は効果がありそうだ、と思ってもらえれば幸いです。

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