今回はexcelのワークシート関数であるTRANSPOSE関数について解説します。
TRANSPOSE(転置)とは何か
そもそも英語のtransposeは”転置“という意味です。一般に”転置”とは、2つのものの位置を交換したり、入れ替えたりすることを意味します。Excelの場合、TRANSPOSE関数を使うと、行から列、列から行というように、セル範囲の向きを入れ替えることができます。
転置の対象が行や列ではなく範囲の場合は、その範囲のレイアウトを行から列へ、または列から行へ変換することになります。つまり、範囲の行と列を入れ替えて、新しい配列を作成します。
いつ使うのか
では転置をするTRANSPOSE関数はどういった場面で使用されるのでしょうか。以下では2つ紹介します。
線形代数
そもそも転置というのは、線形代数においてよく出てくる処理です。線形代数の分野では以下のようにベクトルや行列を転置させる計算を実行する機会が非常に多く、TRANSPOSE関数は使いやすいツールになります。
線形代数で便利な関数については今後別の記事で纏めます。少々お待ちください。
UNIQUE関数と組み合わせて動的なリストを作成
過去に紹介したUNIQUE関数と組み合わせることで、動的なリストを作成することができます。UNIQUE関数については以下から参照ください。
以下はUNIQUE関数の記事で登場したテーブルです。
UNIQUE関数を使用することで、例えば商品名のUNIQUEなリストを作成することができます。
この時、TRANSPOSE関数を併用すると、元々のテーブルとは異なる方向にUNIQUEなリストを作成することができるのです。
この機能を使うと、これまで不可能だった動的なピボットテーブルを作成することができます。動的ピボットテーブルについては今後の記事で紹介します。
なお、TRANSPOSE関数はスピル関数の1つです。スピルについては以下の記事を参照ください。
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